増えつづける糖尿病、知らないとあなたも危険
つくばセントラル病院
内科 井上 由加利
糖尿病とは、すい臓でつくられるインスリンという血糖を下げるホルモンの作用または分泌が不足するために血糖値が上がる病気です。血糖値が高いまま放っておくと、さまざまな合併症ー視力障害から失明、腎障害から腎不全、神経障害から壊疽、心筋梗塞、脳梗塞ーを引き起こします。糖尿病は、今大変増加しています。平成10年3月の時点で、日本の糖尿病患者さんは690万人、予備軍を含めると1370万人にのぼります。糖尿病性網膜症のために失明する方は年間3000人、糖尿病性腎症により透析を受けることになる方は年間9000人にのぼり、年々増加しています。多くの方が、自分は糖尿病だなどとは思っていないので、かなり深刻な状態になるまで気づかず、来院時には失明寸前などということがあります。知らないとたいへんこわい病気なのです。
糖尿病には大きく分けて2種類あり、インスリン分泌の保たれているインスリン非依存型糖尿病と、インスリン分泌欠乏のインスリン依存型糖尿病に分かれます。現在日本で増加しているのはインスリン非依存型糖尿病で、これは糖尿病になりやすい体質に加え、食べ過ぎ、太りすぎ、運動不足そしてさまざまな精神的肉体的ストレスが積み重なって起こってくる病気です。食べ過ぎや運動不足が続くと、インスリンの働きが弱くなり血糖値が上がります。血糖値が上がると、インスリンの分泌も低下し、悪循環に陥ります。
そのため治療は、インスリンの節約をはかり、血糖値を正常にすることを目的に生涯を通じて行われます。食事療法と運動療法が基本になります。食事療法といっても難しく考える必要はありません。食べ過ぎず、バランス良く、毎日規則正しい食事をするという、誰にでもすすめられる健康的な食生活をおくることなのです。軽い糖尿病であれば、食事療法だけで充分よくなるはずです。糖尿病といわれても、がっかりせず、適切な食事、運動、薬物療法を行えば、かえって動脈硬化などの合併症も予防でき、健康で質の高い生活を送ることができます。
当院では、ひとりでも多くの方が、糖尿病合併症を予防できるように糖尿病外来や教室、糖尿病協会入会をとおし、糖尿病克服に力を入れております。糖尿病専門外来は月曜、火曜、金曜日午前中に行っております。外来は予約制ですが直接おいでになっても受診できます。糖尿病教室は隔週火曜日の午後2時からです。
9月から糖尿病ライブラリー(図書館)をセントラルゆうあいの1階に開きます。外来待ち時間を有効に利用していただけるように、採血から診察までの間に、栄養相談や糖尿病に関するビデオ視聴をできるようになりました。
糖尿病は、良く知れば、必ず克服できる病気なのです。おそれず、あなどらず、正しい治療を続けましょう。
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