高気圧酸素治療のご案内
〜高気圧酸素治療を受ける患者様のご案内〜
1.高気圧酸素治療とは?
高気圧酸素治療のご案内大気圧下(空気中の酸素21%)において肺に取り込まれた酸素は血液(赤血球)のヘモグロビンと結合します。これを結合型酸素といいます。また、炭酸飲料(コーラやサイダー)の中に炭酸ガスが溶け込んでいるように、一部の酸素は血液中に溶け込んでいます。これを溶解型酸素といいます。これらの酸素が体内の各組織(心臓や脳など)に送られます。また、結合型酸素において血液中のヘモグロビンは酸素と結合できる量は限りがあり、決められた量以上、酸素の量は増えません。これに対し、溶解型酸素は、「気体(酸素)が液体(血液)に溶け込む量は圧力が高ければ高いほどよく解ける。(ヘンリーの法則)」この性質を利用するとより多くの酸素を体内に取り込むことが出来ます。そこで高気圧酸素治療とは高い圧力の環境(海底10mでかかる圧力くらい)をつくり、そこで酸素(100%)を吸ってもらい、たくさん酸素を体に取り込んでもらう治療です。(低酸素症の改善が期待できます。)
2.どんなところで治療するの?
一人用の治療装置(写真1)で100%酸素によって加圧します。100%酸素を使用するので発火性のあるものは持ち込めません。治療衣として高気圧酸素専用(写真2)のものとし、下着は綿100%のものを着用してください。
装置内の声は外から常時聞こえていますし、緊急呼び出しスイッチがあります。また小窓がついているので技士が常時状態を観察しますのでご安心ください。 ご希望により音楽を鑑賞できます。
写真1
写真1
写真2
写真2
3.装置内に持ち込めるものは?
原則として持ち込み禁止させていただいています。特に、点火源となるもの。
マッチ、ライター、たばこ、使い捨てカイロ
他に時計、指輪、イヤリング、ピアス、入れ歯なども外していただいています。 *治療前に病棟にて看護師が持ち物、衣類等のチェックを行い、治療室で再度臨床工学技士が最終ボディチェックを行います。ボディチェックにご協力いただけない場合は安全上、治療は中止となることがございますのでご協力お願いします。
4.治療の流れは?
  1. 治療室に入室しベットに横になっていいただきます。
    *治療前には必ずトイレを済ませておいて下さい
    ↓                                                            
  2. 臨床工学技士がボディチェックを行い血圧、脈拍を測定します。
    ↓                                                            
  3. 治療の説明、症状の確認、耳抜きの説明を行います。
    ↓                                                            
  4. 装置(タンク)内に入り、治療を行います。
    ↓(治療中)                                                
  5. 治療終了後、タンクからでて副作用(頭痛、歯痛、吐気、耳鳴)がないか確認します。
    ↓                                                            
  6. 血圧、脈拍を測定しますを行い、治療終了となります。
5.治療時間はどれくらい?
当院で行っている標準的治療パターンです。私たちが生活している地表は1.0ATAで、2.0ATAは海に10m潜った状態の圧力が体に掛かります。
●通常では
加圧時間(1.0ATA〜2.0ATA)
↓10分、
治療時間
↓60分、
減圧時間(2.0ATA〜1.0ATA)
↓15分
終了
全体の所要時間は85分です。
●腸閉塞(イレウス)では
加圧時間(1.0ATA〜2.5ATA)
↓15分
2.5ATAの状態
↓45分
減圧時間(2.5ATA〜1.0ATA)
↓25分
終了
全体の所有時間は85分です。

*治療中に耳が痛くなることがあります。そんな時は『耳抜き』の動作を行います。

『耳抜き』とは
耳抜き 富士山に山登りの時、おやつにポテトチップスを持っていくと上るにつれてポテトチップスの袋はパンパンに膨れ上がります。これはポテトチップスの外側の気圧は上るにつれて低くなり、ポテトチップスの袋の中の気圧は山を登る前の気圧のままなので、袋の外・内で圧力差が生じて袋の外側にある気圧が内側より低くなったので内側から押し出そうという力が生じて袋は膨れてしまいます。上の図1では鼓膜をポテトチップスの袋と考え、袋の中を鼓室、外を外耳道と考えます。
高気圧治療では圧力を上げている途中、体の周りの気圧が高くなり、耳の中は治療開始前の気圧のままなので、ポテトチップスの袋のように圧力差が生じて耳の痛みとなってこの現象が生じます。また耳痛は新幹線に乗車していてトンネルに入ったときや、航空機の急上昇、急下降の時に起こります。そのような時に、耳痛を起こさないために人は自然に耳抜きを行っています。治療ではその方法を利用し、耳抜きの方法として次のことを行います。
  1. 鼻をつまんで唾液を飲みこむ(写真3)
  2. 耳を引っ張りながら、あくびをするように大きく口をあける動作を繰り返す(写真4)
もし唾液がでにくい場合はDr確認のうえで飴を持ち込んでもかまいません。
写真3
写真3
写真4
写真4
また,山の山頂にいるときや、高原にいるとき、地上にいたときより寒さを感じることがあると思います。これは地上より気圧が低い為です。この現象も高気圧治療で現れます。加圧時、気圧が上がるのでタンク内の温度も少し上がります。(約1℃)減圧時も、徐々に気圧が下がるので温度も下がります(約1℃)特に減圧時に寒さが気になる方は綿100%のタオルで足元などを覆ってかまいませんので臨床工学技士にお申し付けください。

治療中何か体調の変化など感じたらお知らせください。
例えば・耳、顔、頭、歯が痛い
・咳が出て呼吸が苦しい
・意識がボーとなる
・筋肉がピクピクする
・冷汗が出る

装置内は常時インターホンを通じて声は聞こえますので、このほか何でもかまいませんので何かありましたらお伺いください。
6.何回治療するの?
1クール14回としています。
当院では日曜、祝日以外は治療を行っています。
ただし、緊急時の場合には日曜、祝日も治療を行います
7.どんな病気に効くの?
現在は保険で治療を受けられる病気は次のとおりです。
救急的なもの
  • 急性一酸化炭素中毒その他のガス中毒(間歇型を含む)
  • ガス壊疽
  • 空気塞栓または減圧症
  • 急性末梢血管障害
    a重症の熱傷または凍傷
    b広汎挫傷または中等度以上の血管断裂を伴う末梢血管障害
  • ショック
  • 急性心筋梗塞その他の急性冠不全
  • 脳塞栓、重症頭部外傷、若しくは開頭術後の意識障害または脳浮腫
  • 重症の低酸素性脳機能障害
  • 腸閉塞
  • 網膜動脈閉塞症
  • 突発性難聴
  • 重症の急性脊髄障害
非救急的なもの
  • 放射線または抗癌剤治療と併用される悪性腫瘍
  • 難治性潰瘍を伴う末梢循環障害
  • 皮膚移植
  • 脳血管障害、重症頭部外傷または開頭術後の運動麻痺
  • 一酸化炭素中毒後遺症
  • 脊髄神経疾患
  • 骨髄炎または放射線壊死
8.その他
他に高気圧酸素治療のご案内ビデオがありますのでご希望の方はスタッフにお知らせください。

なにか分からないことがありましたら医師、看護師、臨床工学技士にご相談ください。
Homepage

医療法人つくばセントラル病院
〒300-1211 茨城県牛久市柏田町1589-3
電話 : 029-872-1771
FAX : 029-874-4763
E-Mail:info@central.or.jp