診療科・部門

生理機能検査科

精度の高い検査を提供できるよう努め、
医師の診断をサポートします。

生理機能検査科では、常勤の臨床検査技師18名、パートの臨床検査技師5名が在籍し、生理機能検査を担当しています。生理機能検査とは、直接患者様に接して行う生体検査の総称で、様々な疾患の診断や治療法の決定、治療効果の判定などに重要な役割を果たしています。心電図検査は代表的な生理機能検査の一つですが、通常の心電図検査の他にも運動負荷心電図や長時間(ホルター)心電図検査なども行っています。超音波(エコー)検査は、腹部・心臓・乳房・血管などを観察できる検査として重要であり広く普及しています。その他、生理機能検査科では呼吸機能検査、脳神経検査、終夜睡眠ポリグラフ検査、術中モニタリング検査など多様な検査を行っています。

検査業務の場所は、検査室の他に病棟、手術室、産婦人科外来、透析室、健診センター、セントラル腎クリニック龍ヶ崎、土浦リハビリテーション病院 介護医療院などでも担当しています。

正確な検査を行うためには高い技術力や知識が欠かせません。当検査室では、臨床検査技師の国家資格の他、日本超音波医学会認定超音波検査士、血管診療技師認定、認定心電検査技師、日本睡眠学会認定検査技師など、専門性の高い資格を持ったスタッフが検査を行っています。

スタッフ構成

スタッフ人数 (2023年9月1日現在)

臨床検査技師 23名(常勤18名、パート5名)

専門資格取得状況 (2023年9月1日現在)

日本超音波医学会認定超音波検査士 循環器領域 8名
消化器領域 6名
体表臓器領域 7名
泌尿器領域 6名
血管領域 2名
産婦人科領域 3名
日本心エコー図学会認定専門技師 1名
血管診療技師認定 2名
認定心電検査技師 1名
二級臨床検査士(循環器領域) 2名
緊急臨床検査士 3名
日本糖尿病療養指導士 1名
劇物毒物取り扱い責任者 4名
日本睡眠学会認定検査技師 1名
CPAP療法士 2名
睡眠指導士初級 3名
日本乳がん検診精度管理中央機構 乳腺超音波検査講習会認定 6名
超音波検査従事者マンモグラフィー読影会認定 4名
初級ピンクリボンアドバイザー 4名
中級ピンクリボンアドバイザー 2名

循環器系検査

心電図検査

安静時心電図検査

心臓が動くときに発生する電気的な興奮を波形として記録したもので、動悸・脈の乱れ・胸痛等の診断を行うための検査です。ベッドに仰向けになり、手首・足首・胸に電極をつけて記録します。入院時や手術の前にも行われます。

所要時間 約3~5分
注意事項 上半身の服は薄着になり、靴下はくるぶしまで下ろします。ストッキングやタイツの場合は脱いでいただきます。力が入ってしまうと上手く記録できないため、全身の力を抜いて楽にして下さい。
自律神経検査(CVR-R)

ベッドに仰向けになり手首・足首・胸に電極を装着後、安静時の心電図を記録します。次に担当技師の声掛けに合わせて1分間深呼吸をしていただきながら同時に心電図を記録します。安静時と深呼吸時の心拍数の変動を調べることにより、自律神経の状態を調べることができます。

所要時間 約5~10分
注意事項 検査中は体を動かさないようにして下さい。自律神経の調節機能が異なるため、検査中は眠らないようにして下さい。

負荷心電図検査

マスター2階段試験

心電図電極と血圧測定用のカフ(圧迫帯)を装着し、2段の踏み台を昇降する検査です。この際、年齢・性別・体重により決定した回数を数分間昇降し、負荷前後の心電図と血圧を記録します。

所要時間 約10~15分
注意事項 検査中に胸痛などの違和感を感じた場合は申し出て下さい。日常生活で足腰に痛みがある場合や歩行困難な方は事前にお知らせ下さい。
トレッドミル負荷試験

心電図電極と血圧測定用のカフ(圧迫帯)を装着し、速さや傾斜の変化するベルトコンベア(トレッドミル)の上で歩行~ジョギングを行い、心電図や血圧にどのような変化が起こるかを調べる検査です。循環器内科の医師立ち合いのもと行います。

所要時間 約20~30分
注意事項 検査中に胸痛などの症状が出現した場合は申し出て下さい。日常生活で足腰に痛みがある場合や歩行困難な方は事前にお知らせ下さい。
起立試験

ベッドに仰向けになり心電図電極と血圧測定用のカフ(圧迫帯)を装着し、安静時の心電図と血圧を記録後、10分間起立した状態で心電図と血圧に変化が無いかを調べる検査です。起立時のめまいや立ちくらみ等の起立性調節障害の判定に用いられます。

所要時間 約20分
注意事項 検査中は出来るだけ動かないように立ち、会話も控えて頂きますようお願いします。

ホルター心電図検査

日常生活における心電図の変化を見るために、携帯型の心電計を装着し長時間(基本的には24時間)の心電図を記録する検査です。時々しか出現しない不整脈や自覚症状のない発作など、通常の心電図検査では記録できなかった波形の変化を捉える事を目的としています。胸に心電図のシール電極と専用レコーダーを装着し記録します。

所要時間 レコーダー装着時間:約10分、検査時間:約24時間
注意事項 検査中はいつもと同じ生活をして下さい。症状の有無、就寝・起床時間・運動した時間等の行動記録をメモしていただきます。機械は完全防水のためシャワーや10分程度の入浴は可能です。レコーダー装着と取り外しのため、2日間連続して来院していただきます。

CAVI/ABI検査(動脈硬化検査)

両腕と両足首に血圧測定用カフ(圧迫帯)を巻き、手首に心電図電極、胸に心音マイクを装着します。腕の血圧と足首の血圧の比により、下肢血管の狭窄の程度(下肢閉塞性動脈硬化症)を評価します。また心臓の拍動が血管を伝わる速さを調べ、動脈壁の硬さを推測することができます。

所要時間 約10~15分
注意事項 検査中は両腕と両足首に多少の圧迫感を感じますが、出来るだけ力を抜いて動かない様にして下さい。また、検査中の会話はお控え頂きますようにお願いします。
ストッキング着用はお控えください。

皮膚還流圧検査(SPP検査)

皮膚表面の小さな血管内の血液の流れを調べる検査です。血流を調べたい場所(主に足底)にセンサと血圧測定用カフ(圧迫帯)を巻いて検査します。カフに少しずつ空気を入れて圧をかける事で皮膚表面の血流を遮断した後、徐々に圧を緩めて血流が再び戻った時の圧を測定します。

所要時間 約40~60分
注意事項 測定中に動くと(会話も含む)正確な結果が得られないため、安静な状態で検査できるようご協力をお願いします。ストッキング着用はお控えください。

呼吸機能検査

通常の呼吸や最大限の呼吸で息を吸ったり吐いたりして肺の機能を調べる検査です。鼻をクリップでつまみ、口にマウスピースをくわえて、担当技師の声掛けに合わせて呼吸します。当院では肺気量分画(通常の呼吸量や最大限の吸気量・呼気量を測定したもの)と努力性肺活量(最大吸気位から一気に呼出した時の呼吸量)の2種類の検査を行っています。この検査は手術前にも行われます。

所要時間 約10~15分
注意事項 この検査は患者様の頑張りにより検査結果が大きく変わってしまうため、担当技師の声掛けに合わせてご協力をお願いします。

超音波検査

超音波検査の「超音波」とは人間の耳に聞こえない高い周波数の音のことです。超音波検査は探触子(プローブ)と呼ばれる機械をあて超音波を装置から発信し、臓器・組織から反射して返ってくる超音波を捉えて画像化することで検査を行います。

検査のときは探触子と皮膚の間に空気が入らない様にゼリーを塗って行います。超音波検査は放射線を使用していない為、被曝の心配もなく、繰り返し検査が可能です。小さいお子様、妊娠中の方でも安心して検査を受けることができます。

当院の生理機能検査科では病院の検査室に6台(ポータブルを含む)、外来クリニックの検査室に5台の超音波装置を配備して検査を行っています。

超音波検査の対象部位

  • ・腹部超音波検査(消化器系・泌尿器系)
  • ・心臓超音波検査
  • ・体表超音波検査(乳腺・甲状腺・副甲状腺・その他の体表領域)
  • ・血管超音波検査(頸動脈・下肢静脈・シャント血管等)
  • ・妊婦健診における胎児超音波検査

腹部超音波検査(消化器系・泌尿器系)

胆嚢、肝臓、腎臓、脾臓、膵臓、膀胱、前立腺等の臓器を観察し、所見の有無を調べます。

所要時間 約15~30分
注意事項 消化器系の検査ではお食事をとってしまうと見にくくなってしまう箇所があるため、基本的には食事制限を行います。泌尿器系の検査では膀胱に尿が溜まった状態で検査を行います。各臓器を見やすくするため、体の向きを変えたり、担当技師の声掛けに合わせ呼吸をして頂きます。

心臓超音波検査

心臓の大きさ・動き・形態・弁の状態などを調べます。

所要時間 約20~30分
注意事項 基本的に左横向きで検査を行います。肺の影響などで心臓が見にくくなる場合は担当技師の声掛けに合わせ呼吸をして頂きます。

体表超音波検査(乳腺・甲状腺・副甲状腺・その他の体表領域)

乳腺の検査では左右の乳房全体と必要に応じて腋窩(脇の下)の検査、甲状腺の検査は喉付近にある甲状腺全体と、必要に応じて周囲のリンパ節の検査を行います。腫瘤の有無・腫瘤の大きさや性状などを調べます。

所要時間 約15~30分
注意事項 乳腺超音波検査では、上半身の服と下着を脱いで検査を行います。甲状腺超音波検査では首元の開きやすい服装でご来院ください。

血管超音波検査(頸動脈・下肢静脈・シャント血管等)

頸動脈超音波検査は、動脈硬化の程度や狭窄・閉塞の有無などを調べます。下肢静脈超音波検査は深部静脈内の血栓の有無などを調べます。

所要時間 約30分
注意事項 頸動脈の検査では首元の開きやすい服装でご来院ください。ネックレス等は外していただきます。下肢静脈の検査では足の付け根から足先まで観察するため、ズボンやスカート、靴下やストッキング等は脱いでいただきます。

妊婦健診における胎児超音波検査

産婦人科外来において妊婦健診時(12週以降)に腹部からの超音波検査を行っています。胎児の大きさ、週数に応じて頭部・腹部・心臓・骨格の形態・羊水量などを見ています。また患者様のご希望に応じて動画記録や4D記録なども行っています。

脳神経検査

脳波検査

脳が活動すると、脳内に微弱な電気が流れます。その微弱な電気を頭皮上の電極から波形として記録し、脳の活動状況を調べる検査です。主にてんかん、意識障害やけいれんの原因検索、脳血管障害(脳梗塞、脳出血)などで行われます。

脳から発生する微弱な電気を記録するので、痛みは伴いません。検査は頭皮上に約20個の電極をクリームで固定し、ベッドに仰向けになり目を閉じて行います。目的に応じて、開閉眼、4分間の深呼吸、光の点滅、睡眠の記録などを行います。小さなお子様の場合は薬(睡眠導入剤)を飲んで検査をする事もあります。

所要時間 約40~60分
注意事項 事前にトイレは済ませておいて下さい。整髪料は使用しないでご来院下さい。電極を付ける際、頭皮に検査用のクリームを付けるため、検査後に拭き取った後も多少のベタつきが残りますが、通常の洗髪で落ちます。害のあるものではないため心配は要りません。

神経伝導速度検査

手足の末梢神経に異常がないかを調べる検査です。神経障害の程度や部位がわかり、主に手足のしびれ・筋力低下、手根管症候群、肘部管症候群、糖尿病等で行います。

手足の皮膚の上に電極を貼り、目的とする神経に対し皮膚の上から電気的な刺激を加えます。その刺激に対する反応や伝わる速さを解析していきます。神経に電気的な刺激を加えますので、ピリピリとした痛みを伴う検査です。

所要時間 約30~60分
注意事項 事前にトイレは済ませておいて下さい。微弱な電気を流すのでピリピリとした痛みを伴いますが、身体への悪影響はありません。

脳誘発電位検査

末梢神経、脊髄、脳を通る感覚神経(体性感覚伝導路)のどこに機能障害が存在するのかを調べる体性感覚誘発電位検査と、聴力障害や脳幹障害を調べる聴性脳幹反応検査を行っています。

体性感覚誘発電位検査

手や足の感覚神経に電気的な刺激を加えることによって誘発される反応を記録するものです。頭部、首、肩、背中などに電極を装着し、ベッドに仰向けで寝て検査します。末梢神経~脳幹~大脳皮質の神経路に機能障害がないかを検査します。主に脳幹部付近の病変、多発性硬化症などの脱髄疾患、脳幹~大脳にかけての腫瘍、梗塞・出血などの血管性病変などで行っています。

所要時間 約30~60分
注意事項 事前にトイレは済ませておいて下さい。微弱な電気を流すのでピリピリとした痛みを伴いますが、身体への悪影響はありません。
聴性脳幹反応検査

聴覚神経を刺激して得られる反応を頭皮上で記録したものです。頭皮と耳に電極を装着してベッドに仰向けになり、ヘッドホンから聞こえる音(カチカチという音)を聴いていただきます。波形の状態から聴覚神経の神経路に障害部位がないかを検査します。主に難聴の有無、脳幹障害の診断(聴神経腫瘍、意識障害、多発性硬化症、脳死判定等)などで行っています。意識状態や睡眠状態に影響を受けにくい検査なので、眠ってしまってもかまいません。

所要時間 約40~60分
注意事項 事前にトイレは済ませておいて下さい。

誘発耳音響反射(TEOAE)

新生児の聴覚障害を早期発見するためのスクリーニング検査です。検査では赤ちゃんの耳の中にプローブを入れて、小さな音を聞かせてその刺激への反応を解析・判定します。

所要時間 両耳で約5~10分程度

終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)検査

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)を調べる検査です。就寝前に脳波や呼吸の状態、心電図、いびき、体内の酸素濃度などを見るセンサーを付けて、一晩中記録を行います。睡眠の深さ、無呼吸の回数や長さ、不整脈、いびきなどをみます。この検査で睡眠障害の原因と程度がわかります。睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に無呼吸状態が繰り返し起こる病気です。無呼吸が繰り返されることにより体内の酸素の量が減少し、様々な臓器に影響して、高血圧や不整脈、脳梗塞、心筋梗塞などの循環器疾患、糖尿病などの合併症を引き起こすこともあります。また、日中の強い眠気など、普段の生活にも影響を及ぼすようになります。

所要時間 一晩(19時~5時)
注意事項 一泊入院で行う検査です。検査時には整髪料、化粧は落としていただきます。眠れない場合は、お薬(睡眠導入剤)を飲んでいただくこともあります。

術中モニタリング検査

整形外科や脳神経外科で神経損傷の危険性が考えられる手術において、手術中の神経損傷を予防し安全に手術が行えるよう、頭、手および足等に電極を装着し電気刺激を行い、筋肉に装着した電極からの波形を観察します。

乳がん検診超音波検査

乳がん検診超音波検査の実績

2022年度乳がん検診受診者 総数 2,147件(2022年4月~2023年3月まで)

受診者数
※1
要精検者数
※1
要精検率 精検
受診者数
※3
精検受診率
※3
発見
乳がん数
※3
がん発見率
※3
陽性反応
的中度
※3
2022年度 2,147人 57人 2.7% 47人 82.5% 6人 0.28% 10.5%
2021年度 2,193人 78人 3.6% 70人 89.7% 10人 0.46% 12.8%
2020年度 2,057人 59人 2.9% 49人 83.1% 9人 0.44% 15.3%
2019年度 2,183人 116人 5.3% 90人 77.6% 8人 0.37% 6.9%
2018年度 1,973人 94人 4.8% 80人 85.1% 6人 0.3% 6.4%
2017年度 1,868人 99人 5.3% 60人 60.6% 2人 0.1% 2.0%
2016年度 1,678人 74人 4.4% 38人 51.3% 4人 0.2% 5.4%
2015年度 1,057人 36人 3.4% 23人 63.9% 1人 0.09% 2.8%
茨城県
2019年
34,732人
※2
1,784人 5.1% 1,490人 83.5% 96人 0.28% 5.38%

※1)当院で実施した市町村乳がん検診、人間ドックの件数から集計しています。

※2)県内の市町村が実施した乳がん検診結果を集計。人間ドックは含まれていません。

※3)要精査となり乳腺科(他院を含む)を受診し、追跡調査できた症例より計算しています。

(計算式)
精検受診率(%)=(精検受診者/要精検者)×100
がん発見率(%)=(発見乳がん数/受診者数)×100
陽性反応的中度(%)=(発見乳がん数/要精検数)×100

当院では超音波検査士(体表領域)取得技師や日本乳腺甲状腺超音波医学会もしくは日本乳がん検診精度管理中央機構の超音波講習会を受講した技師が、乳がん検診を行っています。また、ピンクリボンアドバイザー資格を取得し、乳がんの啓発活動に努める等、ピンクリボン運動に参加しています。

市町村 乳がん検診

当院では乳がん検診は、すべて女性技師が担当しています。

検査日

月曜日~土曜日実施(予約制・空き状況によって当日可)

利用券使用可能市町村

牛久市・龍ヶ崎市・つくば市・阿見町・つくばみらい市・稲敷市・美浦村・利根町・守谷市・土浦市・河内町・石岡市・かすみがうら市・小美玉市・常陸大宮市

※検診利用券、無料クーポンの申請は各市町村に申請してください。

※検診期間(利用券有効期間)や自己負担金については各市町村にお問い合わせください。

※健保利用の検診、ドックは健診センターへお問い合わせください。

※自費での受診も可能です。

お問い合わせ

予約センター(直通) 

TEL:029-875-3500029-875-3500 

(月~土 8:30~17:00)