医療法人つくばセントラル病院|診療科のお知らせ
循環器内科
高血圧について その2
診療科のお知らせ

高血圧について その2


循環器内科 田中 千博(かずひろ)

 今回のお話しは降圧剤についてです。いろんな内服薬がありますが,強弱があります。さらに遺伝子の働きで相性があります。残念ながら相性は遺伝子学的検索をしなければならないので,費用的に困難です(1薬剤100万円します)から,実際に服用して確かめなければなりません。そのため,投薬時に副作用のお話しをする事があります。皆さんは薬局で処方されるときに内服薬の絵入りの簡単な説明書を渡されると思います。しかしそこに書かれた副作用が必ずしも生じるわけではありません。たいていの副作用はアレルギー反応が多いためです。しかし問題となる副作用は実は薬自体の作用機序に関係してきます。筋肉に作用するのか,皮膚に作用するのか,将又腸管や尿に作用するのか,解っているようで解っていない事項も多々あります。成る程製薬会社が実際に薬として販売するまでには第1相から3相に至る治験を行い,販売してから第4相治験を行うわけですが,それでも予想しなかった作用機序ならびに副作用がでる事が多いのです。100%安全な薬などは実際に存在しないのが実情です。しかしそこで総てのものが副作用と捉えるのも危険です。そのため,処方した医者とよく相談しましょう。ただし,日本の外来は外国と異なり保険で賄われているため,時間的な制約が可成りあります。ちなみに外国では保険でカバーされている部分は少なく,診療時間を買っているのです。
 さて各論に移りますが,掻い摘んでお話しします。代表的な薬はカルシウム拮抗剤です。大多数の方に比較的副作用が少なく,降圧効果がもっとも優れています。血管のカルシウムチャンネルに作用して血管の拡張作用があります。ノルバスク・アムロジンが代表ですが,この薬を基準に他の薬剤と比較してみましょう。ヘルベッサー・ニバジール・バイミカード・カルブロックは弱く,コニールは同等,アダラートは強いのです。従って血圧値を見てあわてて強いカルシウム拮抗剤を投与されると,急激な血圧低下により,眩暈・気分不快感・全身倦怠感が生じる事となりますが,これは副作用ではありません。まさに作用機序なのです。ただ,本人に合わなかっただけです。副作用として,顔面紅潮・四肢浮腫があります。ただこの副作用も異常なわけではありません。若い方には殆ど出ないのですが,高齢になりますと,筋肉が弱り,静脈及びリンパ管の流れが悪くなり四肢が浮腫みやすくなります。カルシウム拮抗剤はこれを増幅させるのです。
 次回はARBとACE,利尿剤についてお話しします。



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