子宮動脈塞栓術(UAE)外来~子宮筋腫治療

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子宮動脈塞栓術(UAE)について

子宮動脈塞栓術(UAE)の御案内

  つくばセントラル病院では産婦人科と放射線科が協力して、2003年3月よりゼラチンスポンジを用いた子宮筋腫に対するUAEを行ってまいりました。2014年3月までに88名の治療を行い、全例で両側子宮動脈の塞栓に技術的成功を収めています。この間、本院ではUAEを安全・確実な治療とするため、術前のMRIによる子宮動脈の描出に関する研究を行ってきました。治療効果も良好であり90%を超える患者様の筋腫に伴う症状の改善が得られました。
 2014年1月に子宮筋腫への使用が添付文書に明記された新しい塞栓物質であるエンボスフィア(日本化薬)が保険収載され、2014年4月の診療報酬改定に伴って、UAEがようやく保険適応となりました。
 本院でのUAEを御希望される方は産婦人科外来の受診をお願い致します。

受診の仕方

  1. はじめに、婦人科を受診してください。
    問診、婦人科診察、血液検査、MRIなどの諸検査を行います。
  2. UAE外来受診(第2,4火曜日午後)
    実際の治療を担当する放射線科医から、適応の有無、詳しい治療計画をご説明します。
  3. UAE治療(毎週火曜日午前)
    治療前日に入院して頂き、3~4日で退院となります。
  4. 治療後診察
    婦人科外来受診とMRI検査(1か月後、半年後)を施行し、経過観察を行っていきます。

外来診療時間

診療科産婦人科
受付時間 月~土曜日 午前8:00~11:30(予約不要)

実際の治療は放射線科医が担当します。産婦人科での診察の後,UAE外来にて放射線科医から治療に関する詳しい説明をさせていただきます。

診療科 放射線科(子宮動脈塞栓術(UAE)外来)
受付時間 第2・4火曜日 午後3:00~4:30(要予約)

Q&A

子宮動脈塞栓術について簡単に解説をQ & A形式で掲載しましたので御一読ください。
また、Emailによる相談も受け付けています。 こちらのお問い合わせより送信してください

Q UAEとはどんな治療ですか?
A 太ももの付け根の動脈(大腿動脈)を刺し,細い管(カテーテル)をエックス線で見ながら両側の子宮を栄養する動脈(子宮動脈)にまで進め,造影剤に混ぜた塞栓物質(エンボスフィア)を注入して、筋腫の血流を止める治療法です。平たくいえば,筋腫に対する「兵糧攻め」です。
血流が止まることで酸素の供給が絶たれた筋腫は組織が死んで縮小していき、90%の症例で筋腫による症状の改善が見られます。正常な子宮は子宮動脈以外の動脈からの血流があり、一時的に血流が足りない状態になりますが、やがて回復します。

Q UAEはどのような場合にできますか?
A 手術を勧められる患者様のほとんどはUAEの対象となります。 本院では閉経しておらず、薬(鉄剤など)を飲んでも以下のような症状が改善しない場合に行っています。

  1. 生理の期間が長いあるいは出血量が多い
  2. 生理痛がひどい
  3. 貧血がある
  4. 下腹部にしこりがある、あるいは腰に圧迫感がある
  5. トイレが近い

Q UAEができないこともありますか?
A 以下のような場合にはUAEを行うことは難しいです。

  1. 以前にヨード造影剤に対する強いアレルギー(アナフィラキシー様)を起こした
  2. 透析はしていないが、腎臓がかなり悪い
  3. 腹部の感染症(腹膜炎、子宮内膜炎)がある
  4. 緊急時の子宮全摘術を承諾できない
  5. 子宮癌の疑いがある

Q 妊娠・出産を希望する場合でもUAEができますか?
A 妊娠・出産を希望する場合には、一般に筋腫のみを切除する筋腫核出術が勧められますが、UAEも筋腫核出術も同等の妊娠成功率であるという報告があります。しかし追試はなされておらず、科学的根拠としては不十分です。
筋腫の数が少なく容易に切除できる場合には筋腫核出術をお勧めしますが、数が多すぎる場合等で核出術が難しい場合には、UAEは施行できます。ただし、以下のリスクを承知していただく必要があります。

  1. 卵巣機能が低下して閉経する場合がある(5%程度)
  2. 子宮内膜が癒着して不妊の原因となることがある(アッシャーマン症候群)
  3. 流産、切迫早産、子宮破裂、産後大出血、癒着胎盤などの妊娠・出産上の重篤な合併症の報告がある
  4. エックス線を用いるため卵巣の放射線被曝が生じる(少量で妊娠能に影響しない)

Q 手術に比べてUAEにはどのような利点がありますか?
A 以下のようなUAEの利点があります。

  1. 開腹せず、体に付く傷が小さい(右脚の付け根に数mm程度)
  2. 全身麻酔や腰椎麻酔が不要でこれらに伴う合併症がない
  3. 筋腫の数や部位に関わらず、全てに対して一度に治療可能である
  4. 過去に手術を受けていても施行可能である
  5. ホルモン剤を使用しない
  6. 貧血でも施行可能で輸血を必要としない
  7. 入院期間が短い(本院では月曜入院、木曜退院の3泊4日)
  8. 退院後の回復が早い
  9. 妊娠・出産の可能性が残る(子宮全摘術に比べて)
  10. 体への負担が軽く重い合併症を起こす頻度が低い

Q 手術に比べてUAEにはどのような欠点がありますか?
A 以下のようなUAEの欠点があります。

  1. 技術的に両側の子宮動脈を塞栓できないことがある(数%)
  2. 技術的に成功しても症状の改善が得られない場合がある(約10%)
  3. 子宮内感染症などで子宮全摘を余儀なくされる場合がある(1~2%以下)
  4. 永久的な無月経や卵巣機能低下を来たす場合がある。特に45歳以上で5%程度
  5. ヨード造影剤投与に伴う副作用(2~3%程度に発疹・痒み・吐気など、非常にまれに血圧低下や呼吸困難など)が生じる場合がある
  6. 血管造影に伴う合併症(皮下・骨盤内の出血,肺塞栓症)が生じる場合がある(非常にまれ).また少量ながら放射線被曝がある
  7. 子宮を摘出しないので筋腫が良性である証明ができない。筋腫として治療したものに悪性の子宮肉腫が含まれる可能性がある(非常に稀)
  8. 5年の追跡では再治療が必要となる割合が高い(最大30%程度との報告あり)

Q UAEにはどのくらいの費用がかかりますか?
A 2014年4月以降、UAEは健康保険の対象となりました。使用したエンボスフィアの本数により、変動しますが、4本使用したと仮定すると患者様の負担は3泊4日の入院で3割負担の場合、14万円前後となります。
また高額療養費の払い戻しの適応となり、限度額適用認定証をお持ちの方は、当院窓口で支払う一部負担を高額療養費の自己負担限度額までとすることができます。 
限度額適用認定証を使用しない場合 ・・・・・・・・・ 約14万円 
限度額適用認定証を使用した所得の高い方  ・・・・ 約14万円 
限度額適用認定証を使用した所得が標準の方  ・・・ 約8万5千円 
限度額適用認定証を使用した所得の低い方  ・・・・ 約3万5千円 
※上記以外に食事代、室料差額代(差額ベッド代)がかかります。
※高額療養費の申請、限度額適用認定証の発行は、国民保険の方は、各市町村の国民健康保険窓口、社会保険の方は、勤務先又は保険者にお問い合わせください。

Q UAE前に必要な検査は?
A まず、UAEが施行可能かどうかを決定するために、ガドリニウム造影剤を使った造影MRIを行っています。本院では同時にMRAと呼ばれる検査を追加して、子宮動脈の走行を事前に検討します。これは治療にかかる時間を短くし、造影剤の使用量を減らし、エックス線被曝を減らすのに役立ちます。
また、子宮がんの除外のために子宮がん検診の結果を確認します。受けていらっしゃらない場合には本院産婦人科で施行します。結果が出るまでに10日間ほどかかります。 UAEを行うことが決まってから、術前検査として採血、胸部エックス線、心電図の検査も行います。

非造影MRA(矢印:両側子宮動脈)

Q UAEは誰が行っていますか?
A 放射線科医、中でもカテーテル治療を専門とするIVR(interventional radiology)医が行っています。UAEに使用するエンボスフィアを使用するためには100例の動脈塞栓術の経験が必要とされており、IVR医はこの手技に習熟しています。また、UAEの適応決定や併存疾患の診断に重要なMRIによる画像診断も放射線科医としてのIVR医の主要な仕事の一つです。
ただし、UAEを安全に行うためには術前の子宮癌の除外や、子宮全摘術を含めた術後の産婦人科特有の合併症への対処が必要な場合があり、産婦人科医との協力が欠かせません。

Q UAEでは子宮動脈だけを塞栓するのでしょうか?
A 多くの場合は両側の子宮動脈を塞栓するのみですが、時に子宮筋腫が卵巣動脈から血流を受ける場合があり、片側だけであれば卵巣動脈を塞栓する場合があります。卵巣動脈から筋腫への血流があるかどうかはUAE前に撮影するMRAである程度推測することができます。MRAで両側の卵巣動脈から筋腫に血流が入っていると予測される場合には、UAEの効果が不十分となる可能性が高いので手術をお勧めしています。

非造影MRA(矢印:右卵巣動脈)
Mori et al. Radiology 2010; 255(2): 467-475

Q UAEですべての筋腫が壊死しますか?
A UAEは筋腫の壊死を目的としているわけではなく筋腫に伴う症状の改善を目的としています。我々の検討ではすべての筋腫が壊死する割合は6割程度であり、4割の症例では筋腫の一部に血流が残存していました。UAEにより約9割の症例で症状の改善が得られますが、血流が残存する筋腫は再増大し症状の再発の原因となりえます。また、新しい筋腫が生じてくる場合もあります。
しかし、子宮筋腫は良性腫瘍のため多くの場合増大速度は遅く、特に40歳代半ば以降にUAEを受けた場合には筋腫が再び症状を出す前に閉経してしまうことが多いと思われます。

Q UAE後でつらいことは?
A 治療後は脚の付け根からの出血を防ぐため、同部を圧迫して4時間絶対安静としています。また、 UAEの直後~12時間には非常に強い下腹部痛、腰痛が生じ、吐気・嘔吐と発熱を伴う場合があります。これは塞栓後症候群と呼ばれ、程度の差はあれ必発です。
これに対して本院では治療前より,痛み止めの薬を内服していただくとともに持続的なモルヒネの皮下注入療法を行い、痛みのコントロールを行っています。モルヒネについては、痛みの強いときは患者様自身が一時間分の投与量を注入することが出来る注入器を使っています。嘔吐がみられる場合には制吐剤を使用します。

Q 合併症に対する対策は?
A UAEの合併症として重要なものは2つあります。1つは術後の感染症であり、もう1つは肺塞栓症です。これまでに全世界でそれぞれ2例ずつ死亡例があります。本院では感染症に関しては治療当日の朝から2日間抗生物質を点滴投与,以後5日間経口投与しています。
また、肺塞栓症は術後の鼠径部の圧迫時間が長い場合に起きる合併症なので、本院では術後4時間で圧迫を解除するとともに脱水を避けるため当日2000ml、翌日1000mlの輸液を行っています。また、下肢静脈内の血栓形成を抑えるため弾性ストッキングを着用していただいております。

Q UAE後の回復の仕方を教えてください。
A 術後1週間ほどは痛み・吐気・発熱がみられる場合がありますが、デスクワークならば1週間後から可能です。多くの場合は2週間で術前の状態に戻ります。

Q 退院後に気を付けることはありますか?
A 筋腫が子宮の内側に近い場合、壊死した筋腫が膣から排出される場合があります。多くの場合、おりものと混じって徐々に排出されますが、時に塊となって排出されることがあります。その場合には一時的に出血する場合や、感染を伴う場合がありますので、来院するようにお願いしています。特におりものに悪臭がし、発熱が伴う場合には感染症が疑われますので必ず来院してください。

Q 退院後の経過観察はどのようにされますか?
A UAEは子宮筋腫による症状の改善を目標としているため 本院ではUAE後1か月後に造影MRIを行い、筋腫の壊死の状態を確認しています。6か月後には非造影MRIを行って筋腫の縮小の程度を見ています。筋腫の血流が残存した場合にはそれ以後も経過観察し、症状の再発がみられる場合には再治療をお勧めすることもあります。

実際の症例

30代女性。数年前より過多月経と不正出血が認められていた。月経時痛やめまいもあり、近医を受診したところ、子宮頚部に大きな筋腫が認められた。手術を勧められたが、本院でUAEが出来ることを知り、本院を受診し、UAEを行った。

  • UAE前

  • UAE 1年後

UAE後は、しばらく不正出血が続いたが、その後筋腫は出血とともに自然排出され、1年後の経過観察MRIでは子宮筋腫は消失していた。UAEの治療目的は、症状の改善であり、この症例のように筋腫が消失する症例はまれですが、 筋腫が残存した場合でも、症状の改善によるQOL(quality of life、生活の質)の向上が見られ、 多くの患者様に喜ばれています。

患者さまの声

子宮動脈塞栓術を受けて(40代女性)
 出産後1年4ヶ月で月経が再開し、最初はそうでもなかったのですが、徐々に量が増えて、日常生活での煩わしさを感じるようになりました。がん検診のついでに超音波で見てもらったところ、子宮筋腫があり、しかも子宮の中にあるタイプ(粘膜下筋腫)で月経の量に影響しやすいタイプでした。量を減らすために低用量ピルを飲んだら一時期は落ち着いていたのですが、だんだん量が増えて、そのうち、月経とは関係なしにだらだらと出血したり、量が多すぎて夜も落ち着いて眠れないようになり、貧血も進んでしまいました。 
  仕事もしていたため、また、おなかに傷ができるのも嫌で手術は避けたいと思っていたのですが、セントラル病院の産婦人科で相談したら子宮動脈塞栓術を紹介されました。入院も短く、仕事を休み期間も短く済むため「これだ!」と思い、お願いすることにしました。
  子宮動脈塞栓術は、足の付け根への最初の局所麻酔が痛かったぐらいで、あとは麻酔もしていたため、眠気のほうが強く、痛みは思ったほどではありませんでした。時間も短く済んで、あっという間に感じました。翌日までは、体の動きに制限があるのがちょっと辛かったですが、退院の日にはすっかり痛みもなく元気に退院できました。粘膜下筋腫であるため、術後に感染が起きて、壊死した筋腫が出てくるかもしれない、とは聞いていたのですが、実際にそのようになり、多少の不快感の続いた時期もありました。幸い壊死した筋腫は子宮から取れてしまい、術後6カ月で撮ったMRIでは筋腫もすっかりなくなっていました。月経もすっかり軽くなり、貧血も改善。月経中の仕事や外出にも支障が出なくなりました。毎月のことなので、月経にまつわる悩みは女性にとって決して小さなものではありません。思い切って子宮動脈塞栓術を受けて本当によかったと思っています。

お問合わせ

お問い合わせ先
〒300-1211
茨城県牛久市柏田町1589-3
つくばセントラル病院
MAIL:info@central.or.jp

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